変わらない静けさ
周辺にはシニア世代が多く、駅が近い立地条件からも、そう遠くない将来に周辺の住宅や住民が更新されていくことが考えられる住宅街での計画です。
これから人生の半分以上をこの土地で過ごす若いご夫婦の暮らしが、周りの環境の変化に捉われず、静かで穏やかなものになるためにはどうすれば良いのか…。
そんなことを考えながら設計を進めていきました。

庭を囲み変わらない景色をつくる
周辺環境の変化に影響されないように、庭をコの字で囲むプランとしました。
玄関からダイニングに入ると、大きく開けた窓から庭が見えて視線が空まで抜けていきます。
インテリアだけではなく外との関係においても「いつも変わらない景色がある」ということが、帰ってきたときの心の安らぎや本質的な安心につながると思っています。

居場所を分ける
落ち着きや癒しを求めておられるご夫婦に対する提案として、開放的な居場所と内向的にもなれるような居場所と呼べる2つの空間を提案しました。
ダイニングは南向きで明るく、ウッドデッキも含めて大きく外とつながる開放的でおおらかな空間。
対照的にリビングは天井が低く、タタミで居場所としての重心が低く、窓の大きさも抑えて籠れるような空間。
2つは隣り合っているけれど明確に空間の質感が違います。
この質の異なる2つの空間が、お住まいのになるご家族の喜びや悲しみなど様々の感情を包み込み、心も身体も居着ける場所になることを願っています。

